真光やめたら幸せになりました

真光やめるほどじゃないけど、ちょっと疲れたな。そんなときは一息つきましょう。無理にやめなくてもいいんですよ。

生霊を呼び出す魔方陣を作ってしまった話

生霊を自ら呼び出す

洗顔料のチューブを3本並べていました。
1本は使用中で、2本は空っぽのまま置きっぱなしになっていました。

うしおが「捨てようか」と聞いたので、
「ちょとだけ残っていて、まだ使おうと思えば使えるから」と断りました。

その後うしおはチューブを避けようとして、私に指の爪が当たって少し刺さりました。
「嫌な予感がしたから捨てようとした。俺の予感は当たるんだ。
でも捨てようとしたらtenさんが嫌がるし」

三つ並んだのを見て、嫌な空気が出ていたそうです。
生霊独特の空気感。
多分また、六条さんが遊びに来てるのでしょう。
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「なんでこんなゴミを捨てるの、嫌がってしまったんだろう?」
「俺が捨てようとしたら怒ったから、これはヤバイやつだと思った」
うしおが片付けると、よどんだ雰囲気もなくなりました。

「生霊が狙ってた。隙間を無理矢理作ろうとして、tenさんに三つ並べさせた。隙間から生霊が来ていた」

そういえば、これは前日の夜に何故かその邪魔な場所に置いたのでした。
並べた後にカミソリで少し切ってしまいました。
安全カミソリって、その名の通り滅多にケガしないのに。

「隙間ってものがあるでしょう。tenさんは操られて、自分で隙間を作って六条さんを呼び込んでしまった」

建物って意外と境界線があるもので、幽霊も勝手に入ってこないんですよ。
過去の経験上、網戸くらいだと入ってこれるみたいです。
生霊が来る予定のある方は、ドアや窓は締めておきましょう。

うしおが昔言っていたのですが、この世には「隙間」があって、そこにすっぽりと人が入ってしまうことがある。
その先に何があるのか分かりません。
死後なのか、異世界なのか。

うしおによると、チューブが同じ方向に並んでいるのがポイントらしいです。
何かリズム感があるんですかね。
「魔方陣みたいだね」と言ったら
「近いかも」と言っていました。

「六条さんは、今までで一番パワーがある生霊。極端に言えば、死んでいた可能性すらある。
切ったのが足や手ならいいけど、首だと致命傷になるよね」

「六条さんはどうやったら来なくなるの?」
「それは教室をサボりたくなっても通い続けること。相手は強敵だから一気には解決しない。少しずつの積み重ねで打ち勝てる」
習い事もどうやら命がけになって参りました。

妹というラスボスと闘う前に、望まない中ボスが現れたようです。
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神社検定勉強まとめ 初級・参級・弐級・壱級

洗脳を解くなら神社検定

カルト宗教からの洗脳を解く手段の一つとして、神社検定をお勧めしています。

教団の教えが矛盾しているだの、パクリだの、どうでもいいことばかり調べる人も多く見てきました。
それは真光に囚われているだけで、真光にはノーダメージです。

ただ、何かしなければ気が済まない人もいることでしょう。
真光は神道系。
神社検定で「普通の」神道を学んでいく課程で、ご自身が「真光の何に惹かれたのか」を見つめる機会が得られると考えています。
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各記事の内容はすべて執筆当時の情報です。
必ず神社検定公式サイトの受験要項などをご自身での確認をお願い致します。

初級のコツ

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まずは初級で手慣らし。

参級のコツ

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この記事が全級のベースとなります。
初級~壱級まで「問題集を繰り返し解く」の一択です。
勉強の計画の立て方や試験前日・当日の過ごし方など。
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受験まで余裕のある時期なら、テキスト片手に神社参拝もお勧め。

六条さんのお焚き上げ

生霊バトル六条御息所

ここしばらくは、くさくさと沈んだ気持ちが晴れませんでした。

うしおに言わせると、私は生霊に寄りつかれやすいタイプらしいです。
「気が弱くて断れない性格だからかな?」とうしおに問うと、
「それは違う。ただの体質。花粉症みたいなもの」と答えました。

ついでに言うと、生霊を感じたときには神社で頂いた塩を額に擦り付けて洗い流してます。

生霊との出会い

一年の計は元旦にありということで、お稽古ごとに通い始めました。
なかなか輪になじめなくて困っていたところを、ベテランの方によく話し相手になってもらっていました。

そのベテランを仮に六条さんとお呼びしましょう。
記憶をたどれば、初対面のときに「六ちゃんでいいよ」と言われて「距離感がおかしい人だな」と薄々嫌な予感がありました。

六条さんとは仲良くなり何やかやと教えてもらったり、悩みを話したり、プライベートで会うこともありました。
六条さんは一月ほどで教室をやめてしまい、もう使わないからと道具を譲ってくれました。
(なんだやっぱりいい人じゃないか。あれは気のせいだった)

振り返ってみれば六条さんは、技術的なことも教えてくれたついでに「この世界そんなに甘くないから」といった不快な説教をされることが再三ありました。
「私のことを思って厳しく教えてくれてるのかな」と思ったものの釈然とせず、今となっては脅しだったと思い直しました。

習い事なんて、おしゃべりするついでに来るような人もいます。
趣味で楽しく続ける人もいれば、プロを目指す本格派もいて、人それぞれです。

酸っぱいブドウ

六条さんは上手な方でしたが、プロ(志望)の生徒に対して激しい劣等感を持っていました。
「プロは自分を見下している」と恨み言をよく話していました。
そんなはずはないと疑ってはいるものの、親しくしていた方の言葉は軽信してしまうものです。

六条さんが去ってからは他の生徒さんとも打ち解け始め、やっと六条さんが私に嘘を吹き込んでいたと気付きました。
初心者を物笑いにするような人はおらず、むしろ仲間が増えて嬉しいというのが実態でした。

六条さんは他の生徒の陰口を言い、私を怖がらせて教室をやめるように仕向けていました。
うしおに理由を尋ねると「一人で教室をやめるのは悔しいから、tenを道連れにしようとした」と語りました。
そんな人間の言うことに惑わされて、大切なものを失うところでした。

六条さんは私以外の初心者にもよく話しかける社交的な人でした。人の間を取り持ち、輪を広げる世話焼きに見えました。

その心根は仲間作りとはほど遠く、プロへの嫉妬に始まり反プロ派閥を作りたかったようでした。
教室では数人程度のグループを作って共同作業をすることもあるので、信頼が大事です。
そこを分断したら楽しくもなんともありません。

ついでにうしおとの仲も裂こうとしていました。

人間関係を断つ利点

さて六条さんは何故そんなことをしたのでしょうか?

人間関係や好きなものを奪った方が、洗脳や支配がしやすいからです。
ここ大事です。「真光をやめる100の方法」テストに出ますからね。

真光をやめる100の方法

好きな人と心地よい時間を過ごしましょう。
好きなモノに囲まれたり、趣味などで明るく楽しく過ごしましょう。

真光の経典の矛盾などどうでもいいことです。
あなたが真光のことなど忘れて、あなた自身の人生を充実させることが一番大事です。

さて、大河ドラマ「光る君へ」が好きで、源氏物語の本を読むようになりました。

「嫉妬と階級の源氏物語

生霊になった六条御息所ろくじょうのみやすどころの話を読んで、
「生霊……これも何かのヒントかな。まさか六条さんは私に嫉妬していた?」
とたどり着きました。
六条さんは「教室に未練はない」と言い切っていましたが、言葉の端々はしばしや振る舞いから本音ではないと察していました。

譲ってもらった道具は怨念のwifi

私は幽霊が恐いのですが、うしおが言うには「幽霊は死んでるから恐くない」。
生霊は本人が生きているので実害があります。
特にその人が触れたものをもらうと、そばに怨念のこもった現物があるので悪影響を受けやすく、知らぬ間に蝕まれていきます。

頂き物を捨てるのは友情を捨てるようで抵抗はありましたが、もう答えは出ています。
ここで惑わされて判断を誤るわけにいきません。
ゴミに出せる日ではなかったので勝手口に置いておきました。

その夜、強風警報も出ていないのに強風が吹きました。
窓ガラスがガタガタと音を立てて「強風の季節でもないし、何か変な風だな?」とうしおに話すと、うしおも分かっているようでした。

その夜は悪夢にうなされました。
真っ暗な夜、教室に行こうとしてお稽古道具を忘れてしまい慌てて取りに帰りました。
勝手口から入ろうとするとドアの前に道具が置かれていました。
「あっ」と思うと全身がずしんと重くなり、金縛りにかかりました。
声を引き絞って目を覚まし、うしおに夢の内容を話しました。

真光の米も、家の外に置いておくだけだと、謎の存在感を醸し出していたことを思い起こします。
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竹内文書の書籍に清め塩を載せておとなしくなった思い出がよぎり、「あのときより凶暴だね」と話しました。
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稽古道具をゴミ袋に詰めて、口を縛るとおとなしくなりました。
翌日ゴミ捨て場に振り捨てるとほっとしました。

数日後、今までの暗い気持ちがなんだったのかというくらい、心が軽くなりました。
気づかないうちに重い荷物を背負わされていたような気持ちです。
うしおが「そろそろゴミの焼却所で焼かれた頃だよ」と言っていました。

数日間荒れ果てていたので、宗像三女神をお祀りする神社に参拝し、気持ちも洗われました。
うしおに「普通のおみくじと開運おみくじ、どっちにしようか」と聞いたら「開運おみくじ」と答えました。

航海の神様なので海運と開運がかけてあります。

季節は春。
まかれた種は芽吹き、花はほころび、蝶もひらひらと舞って、街は色彩を取り戻しました。

六条さんの怨念の激しさは人生初体験レベルでした。危険度で言えば妹に劣らないくらいです。
生霊に気付くのが遅れたら、きわどいところでした。

六条さんの無念を記事にして、ブログ供養と致します。
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お稲荷さんの現世利益

先日はお稲荷さんに参拝し、色々と現世利益をお祈り致しました。
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うしおが正気を失いかけたり色々ありましたねぇ。

私は色々と神様のおかげをいただきました。
まず嫌な上司が降格になりました。
みんなから辞めて欲しいと思われている人に限って、憎まれっ子世にはばかるものですが、これで一安心。

くじ運がないので福引きはほぼやらないのですが、神社で福みくじを引いたら三等でした。
夕方なので一等二等はすでになかったのですが、掃除道具を頂きました。
うしおには「最近掃除を頑張ってるからだね」と言われました。

後は偶然が重なって人気スターにサインをもらったり、モリモリご利益がありました。

うしおのご利益

うしおがよく通っていたラーメン屋が、閉店してしまいました。
長年通い続けていたお店なので、ずいぶんと落ち込んでいました。

その話をした日は録画したドラマを消化していたのですが、ドラマでラーメン屋がいかに大変なのかという説明がありました。
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多分神様がうしおを哀れんで、ラーメン屋の経営の苦しさを説明してくださったんだろうな、と二人で話しました。

「そんだけか?」
と思うかも知れませんね。
神様は行きつけのお店の経営状況までは変えてくださいません。お店は店主のものですし。
気持ちが納得するのも立派なご利益。

ご利益をいただいて君も真光をやめよう。
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井上陽水の気持ちなら分かる「リバーサイドホテル」

特に需要はない井上陽水の歌詞解説シリーズ第2段です。
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リバーサイドホテルは死後の世界?

この歌詞を死後の世界に旅立つカップルのストーリーと解釈する説が多いです。
どうやらミステリ作家の方の解釈をそのまま引き写しているそうで、
「ミステリ作家なんだから、そりゃそういう解釈になるでしょ」ってお話です。

なーにが「隠された裏の意味が」だよ。
書いてもいないことを読み取る前に、素直に書いてある通りに読み取りましょう。

検索すると同じ内容ばかりヒットするし、大半の井上陽水ファンが同じような受け止め方をしてるのか? と疑問に思っています。

文字通り愛の逃避行の歌

これ何もむずかしい話ではなく、若い二人が人目を避けて遠方に駆け落ちしたっていうだけだと思うんですよね。

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リバーサイドホテルの歌詞解説

まずは時間。
夜明けから昼間、夕方、夜までです。

何故単なる「早朝」ではなく「誰も知らない夜明けが明けた時」なのでしょうか?
夜明けには「明けない夜はない」のように「長い苦しみが終わる」という意味や、「新しい人生の幕開け」といった希望に満ちた未来のニュアンスがありますね。

誰も知らないのだから当の「若い二人」ですら知りません。行き先すら確認せずに、すぐ出るバスに乗ったのかも知れません。
つまり古い町を捨てて新しい人生を送ろうとしています。

若い二人は夜明けに出発し、狭いシートに隠れていることから人目を避けていることが解ります。
せいぜい両親に交際を反対されたくらいのことで、道ならぬ恋などではあるはずがありません。
若い二人が不倫カップルなわけないじゃないですか。

「ステキなバス」
バスがステキなのは、この二人が「夢中になれ」て、心がうきうきしているからです。
狭いシートの超距離バス自体はステキでもなんでもありません。ステキな観光地に行くからでもありません。

若い二人にはお金がないので、飛行機や新幹線は使えません。
「日暮れにバスもタイヤをすり減ら」すほどの長距離バス。しかも「狭いシート」。座ってるだけで身体を痛めそうです。

「昼間の内に何度もKISSをして」と言うことから客はほとんどいないような不人気路線。
たくさん客がいたら、顔見知りもいるでしょうし親に行き先を連絡されてしまうかもしれませんね。

むしろ土地勘のない、聞いたこともないような行き先を選んだのか、ろくに確認もせずにバスに乗ったのかもしれません。
「行く先をたずねるのにつかれはて」てしまいました。

バスを降りる頃には夜になり、二人はネオンの光る繁華街に降りました。
そこでホテルのネオンの看板を読みます。
「ホテルはリバーサイド 川沿いリバーサイド 食事もリバーサイド」
ここがサビ部分です。
どういう意味も何も、ネオンサインの文字です。

2番

繁華街のホテルなら二人でも泊まれるお値段です。
三途の川でもなんでもなく、川沿いで土地代が安いから若い二人の財布にやさしいのです。

元より観光するつもりはなく、中で食事も出来ます。

おそらく女の子の方が疲れて寝てしまったのでしょう。
普通のホテルならチェックインで名前を書いたりしますが、ここでは寝顔を見せれば特に止められることもありません。

「しゃれたテレビのプラグは抜いてあ」っても、二人はテレビなんか眼中にありません。目の前の相手のことが好きなのです。
同じテレビを見て、話題を共有なんかしなくたって「二人きりでも気持ちは通いあう」のです。

余談ですが、井上陽水の歌詞にはよくテレビが登場するので、見るのが好きなんでしょうね。

町や狭いバスという人工的な四角いものから離れ、川沿いのホテルで「ベッドの中で魚になったあと」と水で表現をまとめています。
ここの意味が分からないのは、さすがに未成年くらいじゃないですかね。

「川に浮かんだプール」
川はリバーサイドホテルのことです。
繁華街のホテルですから、他の利用客は短時間で出会って別れて、まるで川の流れのように見えたのでしょう。
でも二人がいるのは「川に浮かんだプール」、リバーサイドホテルの一室という流されていかない部屋です。

そこでまず「一泳ぎ』ですよ。

「二人は途中でやめるから」は一番の「二人は夢中になれるから」と音をそろえています。
ホテルにインした後の、水辺でまとめた表現は本当に素晴らしいと思います。

結論

愛の逃避行の歌です。勢いです。
戻るつもりはありません。

重ね言葉

「夜明けが明けたとき」も「金属のメタル」も同じメロディに配置されています。語感を整えたのでしょう。
井上陽水に関しては、歌詞の文字面だけを追いかけるより、語感やリズムに耳を傾けた方がいいと思います。

意味なんかないんだというと、価値がないと思う人もいるかも知れません。
裏の意味があれば深いわけでも偉いわけでもありません。
音感を低いものとして捉えるから、意味に囚われるのです。
寂しからずや道を説く者。

語感や音韻にこだわりがあり、かつ文学的水準の高い歌詞を作れる方ですから、それを素直に楽しめばいいと思うんですよね。
ちょっと不思議な歌詞も多いですが、彼は感覚的な人なのです。
論理的にああだこうだと考えて歌詞を決めているわけではないでしょう。
それを筋道立てて説明できるなら、ミュージシャン以外の仕事をしてるでしょうね。

音の感覚に敏感な、シンガーソングライターならではの優れた作詞です。

裏の意味に囚われると陰謀論に騙されやすくなるので気をつけようね、とカルトサイトらしく締めましょう。
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井上陽水の気持ちなら分かる「氷の世界」

最近は古いフォークソングにハマっています。

私はあまり他人の気持ちが分かりません。
私にはよく分かるけど、うしおにはよく分からないのがフォークソングの歌詞。

氷の世界


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井上陽水はさすがに何曲か知ってますが、わざわざ自分から聞くほど好きなわけではない。
そんなファンでも何でもない私が、歌詞の意味を読み解きます。

1番は食欲

1番のテーマは食欲。
生きるか死ぬかの問題です。

「窓の外ではリンゴ売り」

強烈な歌い出しで、「なぜリンゴ売りなんだ」と疑問に思うかも知れませんが、今でもラーメン屋も豆腐屋も移動販売しています。
リンゴ売りの声が聞こえることから何が描写されているのでしょうか?

季節は初秋。
リンゴ売りの声が聞こえるということは、窓が開いていて、時間は昼間でまだ冷え込んでいない時期です。

主人公は昼間から家にいるのは仕事がないからです。
仕事がなければ家の中で過ごすのですから、町の風景や温度ではなく、リンゴ売りの声で季節の変わり目を知った。
つまりこの時点で割と孤独なのです。

「声をからして」いるのは、リンゴ売りが必死に売ろうとしてるからではありません。
主人公はリンゴが好きで本当は食べたくてたまらないから「声をからして」いるように聞こえたのです。

この時点では、ちょっとしたおやつも買えない程度の貧乏具合です。
買いたいものが買えない貧しさを、「リンゴ売りのまね」だと自分をごまかそうとしているけど、その欺瞞は自分自身がよく分かっています。
子供ならリンゴ売りのまねをするかも知れませんが、特に子供の声とは限定していません。
やはり実際にリンゴ売りの声が聞こえているんです。

季節は冬になり、より状況は深刻になりました

安アパートは断熱性が低く、さりとて暖房器具を買うお金もありません。
寒すぎて、テレビも壊れて「画期的な色になり」とうとうまともに映らなくなってついには電源も入らなくなってしまいました
(昔のテレビは画面表示が乱れることがよくあり、受信アンテナを動かして調整したり、叩いて直したりしていました)。

画面表示が乱れたことを「グッと魅力的な娘」に変えたという、なかなか表現力の高い暴言だと感心しました。

当時の情報源は、テレビと新聞ぐらいのものです。
今で言うならスマホが壊れたぐらいのショックでしょう。

自分はいつまで経っても芽が出ず、テレビに出演することはできません。
それなのに「とても醜いあの娘」はテレビに出演しています。井上陽水って、女というだけでちやほやされるタイプの女性が嫌いなんですよ*1
そのテレビすら壊れてしまい、社会との接点も失い、己の惨めさから目をそらすこともできなくなりました。

「記録的な」寒さや、「毎日、吹雪、吹雪、氷の世界」とは、
単に寒さというだけではなく、飢えや嫉妬、社会からの孤立という経済状況や心の描写です。

2番は人間関係

2番で主役は「誰か指切りしようよ」人や社会とのつながりを求めます。
「軽い嘘でもいいから」何か約束をして張り詰めていないと、今日一日を生き延びることもできないくらいに追い詰められています。

誰でもいいと言いつつも、本当に誰でもいいわけではありません。
小指を絡めるのは恋人と相場が決まっています。

軽い嘘くらいではもう自分を押しとどめることが出来ないので、結婚という重い約束を考え始めます。

昔は結婚して当たり前、男は妻子を養うのが常識でした。
「売れないミュージシャンなんて、いつまでも夢見てないでさ、ちゃんと結婚して責任取りなよ」って周りの人も言うでしょう。

赤い糸に結ばれて、普通に会社員でもやって結婚して家庭を持ち、身「動きがとれなくなれば」周りのみんなも笑顔になって祝福してくれるでしょう。
他人の望みを叶えて、それで周りが幸せになれるのなら「そんなに悪い気はしないはず」と、また自分を納得させようとしています。
他人の要望通りに生きることは、自分の本当の望みではないのです。

何をしても努力は実らず、時間だけが無為に過ぎゆきます。
そろそろ夢なんか諦めて、妻子を養って男としての責務を果たさねばなりません。
氷の世界では進むことも戻ることもできず、時間と涙だけが流れていきます。

3番は夢

ストレスがたまりすぎて「誰かを傷つけたいな」と思い始めます。
そして実行に移せない自分を臆病だと認めました。

その一方で願いが叶わずともやさぐれずに努力する人――つまり自分自身のこと――を、やさしさを内に秘めて「いつかノーベル賞でももらうつもりでガンバッてる」と小馬鹿にしたような言い回し。
でも曲の中では「ガンバッてる」のとこを力強く歌っているんですよ。
言葉の上では皮肉なんだけど、本当はそういう志の高い人の努力を認めている。

主人公は志が高い人であり、無謀な夢追い人でもあります。

食い詰めてもいい、結婚して責任を取れなくてもいい。
それでも叶えたい夢がある。
それはノーベル賞と同じくらい価値のある「歌手」という夢。
そのことを自覚して、怖くなって震えていた。

断筆寸前のアーティストの歌

なかなか売れずに苦労した時代に作った曲でしょう。

貧乏のつらさを、寒さや壊れたテレビで表現し、自分は売れないのに「とても醜いあの娘」はテレビに出てるという現実にプライドはズタズタです。

追い詰められて今にも夢を諦めて筆を折ってしまいそうです。

意外にストーリーがあり、一番は生きるか死ぬかの食欲がテーマ。食欲と夢のどちらを選ぶのか?
2番は恋愛や社会からの承認。ここでは他者との関係(傷つけたり結婚したり)、他人からの欲求に応じて自分の夢を諦めてしまうのかという問い。
3番は自己実現のための夢について、より高度な欲求へとシフトしていきます。

欺瞞と反語表現ばかりの歌詞
「リンゴ売りのまね」はまねではないし、指切りは誰でもいいわけじゃない。
「悪い気はしない」はやりたくないという意味だし、
ふるえているのは恐いからです。

欺瞞を少しずつはいでいってやっと自分の夢が語られる。
食うことも、社会的な責任を負うことも諦めて、本当に自分自身の願望と向き合った結果、怖くなって震えたのです。

歌手こそが一番の夢で、他のことを失ってでもやり遂げたいのだと。
ここまで追い詰められないと、自分の本心にたどり着けなかったのです。

昭和の歌手は、長年聞かれ続けているだけあって、歌詞のレベルが非常に高いと思います。
美しい言葉には力があります。

君も井上陽水を聞いて真光をやめよう。

押韻

さて、日本の歌は韻を踏まないのだと思っていました。
改めて聞くと、井上陽水は韻を踏む歌詞が多いんですよね。

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ライム事典のない時代に、よくこれだけ語感に優れた歌詞が作れたものです。

韻を踏み語感がよくて文学的表現が優れているのは「Make-up Shadow」

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最近は日本語でもなかなかラップ文化が浸透して韻を踏む歌詞も増えてきました。
洋楽の韻もいいけど、井上陽水押韻や語感のセンスは大変素晴らしいので若い方にも一度聞いてみてほしいものです。
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参考・出典

*1:「愛されてばかりいると」参照

ドラマ「ハヤブサ消防団」でわかる! ときめきカルト講座② 私たちの罪を数えよう編

排除される信者たち

ドラマ版ハヤブサ消防団のいいところは、
カルト教団やその信者だけが悪である」とは描かなかったことです。

信者はいい人たち

彩が見たアビゲイルの信者たちは
「洗脳されたおかしな人間みたいに言われてますけど、私が出会った仲間たちは本当にやさしかったです。
私と同じように苦しんで、救いを求めて、教団に救われたからこそ困っている人に手を差しのべる、思いやりを持つ人たちでした*1

これは割とあるあるで、一般信者は案外いい人が多かったりします。
答えを言うと、騙されやすい人の集まりだから。
真光信者の方も、関係が浅い分にはさほど問題なかったような気がします。

何も知らなかった信者たち

拷問死のことも、ほとんどの信者は何も知らず、突然バッシングされ反対運動を受けて困惑していました。
「そんな事件は起きていない」「教祖はハメられた」とインタビューに答える信者もいました。
後者に関しては本当のことでしたが、世間は言い逃れとしか思わなかったでしょう。

「世間が我々を見る目はあんなものです」
「すべての元信者が危険なわけではない」
「意外に身近なところに信者がいる」
「仏教のような古い宗教はよくて新しい宗教がダメとは限らない」
「頭のいいやつは余計なことを考えてしまう」
「そういうのを陰謀論ちゅうんじゃ」
さらっとこういう描写が入るのはよいですね。

アビゲイルでも大統領でも、サンカクにきたらみんな飲み仲間や」

なんてのんきなことを言ってましたが、消防団は悪い意味で「自警団」と化してしまいます。
それでは信者ではない「普通の人々」がハヤブサを守るために、善意で犯した罪を数えていきましょう。

ハヤブサの人々が犯した罪

村岡町長脅迫事件

森野と賢作は村岡町長に、「記者会見を開き、アビゲイルへの危機感を訴えてほしい。そうしたらマスコミも注目して、あいつらはいづらくなる」と訴えます。
町長が断ると不倫をネタに脅迫し、会見を開くことを約束させました。

サンカクで杉森入店拒否事件

カクさんのお店ですから、彼が客を選ぶこと自体は施設管理権の範囲内で可能です。
これは高級フレンチ店などで、服装がドレスコードに沿わない場合はお断りする、などの場合が該当します。

ですが、この場合は杉森が正しく「根拠のない噂話に基づく差別」です。

儀式妨害は「説教等妨害罪」

ハヤブサ分団は聖母降臨の儀式を阻止しようとして、信者たちに消防車で水をかけようと言い出しました。
さすがに警察署長に「やめとけや。あんたらを逮捕しなけりゃならなくなる」と止められました。

刑法第188条第2項では、
「説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、1年以下の懲役若しくは禁固又は10万円以下の罰金に処する」
と定められており、宗教行事を妨害する「説教等妨害罪」に該当する可能性があります。

聖母降臨の儀式自体はルミナスソーラー(実質教団)の私有地内に集まって礼拝(宗教行事)をするだけなので、特に迷惑行為はしていません。
そんな無害な祭礼を妨害するのなら、信教の自由の侵害としか言い様がありません。

目的のために手段が正当化されるのなら、それはアビゲイルが放火や殺人を犯したのと同じ轍を踏むことになります。
カルトの悪だけでなく、それに反対する我々の罪を描いたドラマでもあります。
「正義とは暴力の免罪符」とはよく言ったものです。

猟銃で人を撃とうとした

真鍋が先に銃を撃ったとはいえ、賢作も真鍋に銃を向け、警察から下ろすように指示されても従いませんでした。

許可を受けた猟銃であっても、保管や持ち歩き自体にも厳しい制限があるぐらいです。
当然空砲であっても絶対に人のいる方に向けてはなりません*2

信者だけが「何故」と言われる

三馬太郎は「何故そんな宗教に」と彩に問いかけました。
「何故、何故、何故……三馬さんも他の人と一緒なんですね」と彩。

信者だけが理解不能とされ、「どうして、何故なの」と言われ続ける。
こういった指摘は、誰かをカルトから脱会させたいなら真摯に受け取る必要がありますね。
「何故」って要は責めてるわけですからね。

「私たちとあいつらは違う」
迷惑なので受け入れたくはないのですが、排除すればするほど彼らの絆は深まります。
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じゃあどうすればいいのかは、簡単に答えが出せません。
でも焼きそばを焼いて、一緒に食べるくらいのことならできるかもしれません。

みんなもカルトにハマる前に神社検定を受けよう!
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ハヤブサ消防団を元カルト信者が語るシリーズ
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