真光やめたら幸せになりました

真光やめるほどじゃないけど、ちょっと疲れたな。そんなときは一息つきましょう。無理にやめなくてもいいんですよ。

井上陽水の気持ちなら分かる「リバーサイドホテル」

特に需要はない井上陽水の歌詞解説シリーズ第2段です。
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リバーサイドホテルは死後の世界?

この歌詞を死後の世界に旅立つカップルのストーリーと解釈する説が多いです。
どうやらミステリ作家の方の解釈をそのまま引き写しているそうで、
「ミステリ作家なんだから、そりゃそういう解釈になるでしょ」ってお話です。

なーにが「隠された裏の意味が」だよ。
書いてもいないことを読み取る前に、素直に書いてある通りに読み取りましょう。

検索すると同じ内容ばかりヒットするし、大半の井上陽水ファンが同じような受け止め方をしてるのか? と疑問に思っています。

文字通り愛の逃避行の歌

これ何もむずかしい話ではなく、若い二人が人目を避けて遠方に駆け落ちしたっていうだけだと思うんですよね。

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リバーサイドホテルの歌詞解説

まずは時間。
夜明けから昼間、夕方、夜までです。

何故単なる「早朝」ではなく「誰も知らない夜明けが明けた時」なのでしょうか?
夜明けには「明けない夜はない」のように「長い苦しみが終わる」という意味や、「新しい人生の幕開け」といった希望に満ちた未来のニュアンスがありますね。

誰も知らないのだから当の「若い二人」ですら知りません。行き先すら確認せずに、すぐ出るバスに乗ったのかも知れません。
つまり古い町を捨てて新しい人生を送ろうとしています。

若い二人は夜明けに出発し、狭いシートに隠れていることから人目を避けていることが解ります。
せいぜい両親に交際を反対されたくらいのことで、道ならぬ恋などではあるはずがありません。
若い二人が不倫カップルなわけないじゃないですか。

「ステキなバス」
バスがステキなのは、この二人が「夢中になれ」て、心がうきうきしているからです。
狭いシートの超距離バス自体はステキでもなんでもありません。ステキな観光地に行くからでもありません。

若い二人にはお金がないので、飛行機や新幹線は使えません。
「日暮れにバスもタイヤをすり減ら」すほどの長距離バス。しかも「狭いシート」。座ってるだけで身体を痛めそうです。

「昼間の内に何度もKISSをして」と言うことから客はほとんどいないような不人気路線。
たくさん客がいたら、顔見知りもいるでしょうし親に行き先を連絡されてしまうかもしれませんね。

むしろ土地勘のない、聞いたこともないような行き先を選んだのか、ろくに確認もせずにバスに乗ったのかもしれません。
「行く先をたずねるのにつかれはて」てしまいました。

バスを降りる頃には夜になり、二人はネオンの光る繁華街に降りました。
そこでホテルのネオンの看板を読みます。
「ホテルはリバーサイド 川沿いリバーサイド 食事もリバーサイド」
ここがサビ部分です。
どういう意味も何も、ネオンサインの文字です。

2番

繁華街のホテルなら二人でも泊まれるお値段です。
三途の川でもなんでもなく、川沿いで土地代が安いから若い二人の財布にやさしいのです。

元より観光するつもりはなく、中で食事も出来ます。

おそらく女の子の方が疲れて寝てしまったのでしょう。
普通のホテルならチェックインで名前を書いたりしますが、ここでは寝顔を見せれば特に止められることもありません。

「しゃれたテレビのプラグは抜いてあ」っても、二人はテレビなんか眼中にありません。目の前の相手のことが好きなのです。
同じテレビを見て、話題を共有なんかしなくたって「二人きりでも気持ちは通いあう」のです。

余談ですが、井上陽水の歌詞にはよくテレビが登場するので、見るのが好きなんでしょうね。

町や狭いバスという人工的な四角いものから離れ、川沿いのホテルで「ベッドの中で魚になったあと」と水で表現をまとめています。
ここの意味が分からないのは、さすがに未成年くらいじゃないですかね。

「川に浮かんだプール」
川はリバーサイドホテルのことです。
繁華街のホテルですから、他の利用客は短時間で出会って別れて、まるで川の流れのように見えたのでしょう。
でも二人がいるのは「川に浮かんだプール」、リバーサイドホテルの一室という流されていかない部屋です。

そこでまず「一泳ぎ』ですよ。

「二人は途中でやめるから」は一番の「二人は夢中になれるから」と音をそろえています。
ホテルにインした後の、水辺でまとめた表現は本当に素晴らしいと思います。

結論

愛の逃避行の歌です。勢いです。
戻るつもりはありません。

重ね言葉

「夜明けが明けたとき」も「金属のメタル」も同じメロディに配置されています。語感を整えたのでしょう。
井上陽水に関しては、歌詞の文字面だけを追いかけるより、語感やリズムに耳を傾けた方がいいと思います。

意味なんかないんだというと、価値がないと思う人もいるかも知れません。
裏の意味があれば深いわけでも偉いわけでもありません。
音感を低いものとして捉えるから、意味に囚われるのです。
寂しからずや道を説く者。

語感や音韻にこだわりがあり、かつ文学的水準の高い歌詞を作れる方ですから、それを素直に楽しめばいいと思うんですよね。
ちょっと不思議な歌詞も多いですが、彼は感覚的な人なのです。
論理的にああだこうだと考えて歌詞を決めているわけではないでしょう。
それを筋道立てて説明できるなら、ミュージシャン以外の仕事をしてるでしょうね。

音の感覚に敏感な、シンガーソングライターならではの優れた作詞です。

裏の意味に囚われると陰謀論に騙されやすくなるので気をつけようね、とカルトサイトらしく締めましょう。
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