真光やめたら幸せになりました

真光やめるほどじゃないけど、ちょっと疲れたな。そんなときは一息つきましょう。無理にやめなくてもいいんですよ。

真光の元ネタ イズノメの正体 後編

イズノメから聖書へ

さて、前回の続きです。
神道におけるイズノメは(けが)れから生まれた災いを直す神というお話をしました。
水に関わりがあるので、龍神というところまではいいでしょう。
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日本や朝鮮、スキタイでの神話において、龍神は恵みをもたらす河や海の女神であり、天の神と交わって神々の母となったり、人間の統治者の始祖となったりする神様でした。

これが聖書ではどうかというと、主たる神に討伐される怪物として扱われます。

エゼキエル書

第29章と32章の預言

「エジプトの王パロ(ファラオ)よ」
「あなたはその川の中に伏す大いなる龍」

ナイル河の主であるファラオを、太古にヤハウェの敵だったレヴィヤタン(複数の頭を持つ龍)になぞらえて、
「川の魚のように顎に鍵をかけて釣り上げてやるぞ、眷属であるエジプト国民も巻き添えにして地面に投げ捨て、空の鳥や獣の餌にしてやる」
という内容です。

「わたし(ヤハウェ)は、かぎをあなたのあごにかけ、あなたの川の魚を、あなたのうろこにつかせ、あなたと、あなたのうろこについているもろもろの魚を、あなたの川から引きあげ、あなたとあなたの川のもろもろの魚を、荒野に投げ捨てる。
あなたは野の面に倒れ、あなたを取り集めるものも、葬る者もない。
私はあなたを、地の獣と空の鳥のえじきとして与える」

「あなたは海の中の龍のような者」
「わたしの網をあなたに投げかけ、あなたを網で引き上げる」
「あなたを地に投げ捨て、野の面に投げうち、空のすべての鳥をあなたの上にとどまらせ、全地の獣にあなたを与えて飽かせる。わたしはあなたの肉を山々に捨て、あなたの死体で谷を満たす。わたしはあなたの流れる血で、地を濁し、山々にまで及ぼす。谷川はあなた死体で満ちる」

「龍体を切り刻む」の元ネタは聖書あたりから来ていると見てよいでしょう。

「鳥や獣にエサとして与える」を「お雑煮の具材にしておいしく頂く」とアレンジしたのは日本人らしいなと思いました。
真光はこういう経緯でお雑煮を禁止しているので、毎年の正月には食べるようにしましょう。
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元ネタが分かると、こうした変化の過程も分かってなかなか面白いですね。

オカルト系の元ネタ探しばかりするのは、個人的には精神によくないなと感じています。そこに大した答えはないのです。
それより近所を散歩してお地蔵さんを見つけたり、神社やお寺にお参りしたり。
自然に触れ、太陽を浴びて、花の美しさや水のせせらぎに癒やされることの方が大事です。

うちのブログで神社検定をおすすめしているのも、まずはスタンダードな神道の知識を得て欲しいからです。何事も基本が大事。
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そういった王道を選ばず、オカルトばかりに興味を持つのは何故なのかは顧みる必要があります。
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聖書の元ネタ「エヌマ・エリシュ」

ちなみに聖書の「水の支配者である龍を、網で生け捕って殺す」というくだりは古代バビロニアの神話「エヌマ・エリシュ」から来ています。

古代オリエントでは、水はまつろわず秩序を乱す存在として描かれます。

春になると雪解け水で川が増水して氾濫します。
川の水と海水が混ざりあって、低地を泥の中に沈めて混沌としますが、水が引くと肥沃な大地が表れます。
氾濫しすぎては大洪水、少なければ旱魃となるようなままならぬもので、灌漑や排水によって秩序がもたらされました。

創世神話「エヌマ・エリシュ」

原初の真水の神アプスと海水の神ティアマトが混ざり合って交わって多くの神を産みました。
その息子である天の神アヌは、単独で知恵の神エアを産みました。

アプスーは若い神たちがうるさくて眠れず、殺害計画を立てましたが、漏れて逆にエアに殺されてしまいます。
エアはアプスの死体の上に住居兼聖所を構えて「深淵(アプス)」と名付け、妻の女神ダムキナともうけた子供こそが、バビロニア最高神マルドゥクです。

マルドゥクはティアマトをに風を送って挑発し、怒ったティァマトは魚や龍の怪物軍団を産み出します。エアもアヌもティアマトに怖じ気づいてしまいました。
最も若いマルドゥクが王となり、アヌから授かった風を武器として携えティアマト討伐に向かい、一騎打ちとなります。

マルドゥクはティアマトを網で捕らえ、風を送って口を開かせ、体内に弓矢を射って殺しました。そしてティアマトの死体を二つに裂いて一方で天を創り、もう一方で地を創りました。

これが聖書になると、死体を鳥に食べさせるかたちで天に満たし、山や谷に撒くことで地を覆ったりします。

龍体を刻む話だけなら聖書の紹介だけでもよかったのですが、古代オリエントまで遡ったのには理由があります。

真光誌

真光の機関誌って皆さんは読んでましたか?
よく二代目の恵珠氏は「シュメール」の話をしていたという記憶があります。

古代の四大文明の一つがメソポタミア
メソポタミアは「河の間の土地」という意味で、チグリス河とユーフラテス河に挟まれた土地を指します。現在のイラクあたりです。
このメソポタミア南部がバビロニア、北部はアッシリア。更にバビロニア南部がシュメール、北部がアッカドです。
「古代メソポタミア文明は、最も南のシュメルから始まった」と言われています。

このバビロンの守護神マルドゥク天地創造を描いた神話のアッカド語版「エヌマ・エリシュ」はオリエント全域に広がったそうです。

光玉氏が、聖書のルーツの一つであるバビロニア神話を知っていたとしても不思議はありません。
真光のイズノメは聖書や古代オリエントが元ネタでした。

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