特に需要はない井上陽水の歌詞解説シリーズ第2段です。
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リバーサイドホテルは死後の世界?
この歌詞を死後の世界に旅立つカップルのストーリーと解釈する説が多いです。
どうやらミステリ作家の方の解釈をそのまま引き写しているそうで、
「ミステリ作家なんだから、そりゃそういう解釈になるでしょ」ってお話です。
検索すると同じ内容ばかりヒットするし、大半の井上陽水ファンが同じような受け止め方をしてるのか? と疑問に思っています。
文字通り愛の逃避行の歌
これ何もむずかしい話ではなく、若い二人が人目を避けて遠方に駆け落ちしたっていうだけだと思うんですよね。
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リバーサイドホテルの歌詞解説1番
若い二人は人目を避けている。両親に反対されているのかも知れない。
だから早朝「誰も知らない夜明けが空けた時」に地元の「町からステキなバスが出る」。
バスがステキなのは、この二人が「夢中になれ」て、心がうきうきしているからです。
バスが豪華でステキなわけでもないし、ステキな観光地に行くからでもありません。
お金がないので、飛行機や新幹線は使えません。
「日暮れにバスもタイヤをすり減ら」すほどの長距離バス。しかも「狭いシート」。座ってるだけで身体を痛めそうです。
「昼間の内に何度もKISSをして」と周りの目も我慢できていません。若さゆえの勢いです。
これぐらいお互いのことが好きだと、平たく言うとバカになるんですよね。
ついつい会話がループしてしまうので「行く先をたずねるのにつかれはて」てしまいました。
バスを降りる頃には夜になり、二人はネオンの光る繁華街に降りました。そこでホテルのネオンの看板を読みます。
「ホテルはリバーサイド 川沿いリバーサイド 食事もリバーサイド」
ここがサビ部分です。深夜放送の地方CMみたいですね。
2番
繁華街のホテルなら二人でも泊まれるお値段ですし、元より観光するつもりはなく、中で食事も出来ます。
おそらく女の子の方が疲れて寝てしまったのでしょう。
普通のホテルならチェックインで名前を書いたりしますが、ここでは寝顔を見せれば特に止められることもありません。
「しゃれたテレビのプラグは抜いてあ」っても、二人はテレビなんか眼中にありません。目の前の相手のことが好きなのです。
同じテレビを見て、話題を共有なんかしなくたって「二人きりでも気持ちは通いあう」のです。
余談ですが、井上陽水の歌詞にはよくテレビが登場するので、見るのが好きなんでしょうね。
町や狭いバスという人工的なものや狭いところから離れ、川沿いのホテルで「ベッドの中で魚になったあと」と水で表現をまとめています。
「川に浮かんだプール」は文字通りではなくて、リバーサイドホテルを川に例え、プールはその一室を指します。
「一泳ぎ」とか「途中でやめる」とかいくらなんでも説明不要でしょう。
結論
明日のことを何も考えてなさそうなのが、若さ故の勢いだなぁと言う感想です。
重ね言葉
「夜明けが明けたとき」も「金属のメタル」も同じメロディに配置されています。語感を整えたのでしょう。
井上陽水に関しては、歌詞の文字面だけを追いかけるより、語感やリズムに耳を傾けた方がいいと思います。
意味なんかないんだというと、価値がないと思う人もいるかも知れません。
裏の意味があれば深いわけでも偉いわけでもありません。
音感を低いものとして捉えるから、意味に囚われるのです。
寂しからずや道を説く者。
語感や音韻にこだわりがあり、かつ文学的水準の高い歌詞を作れる方ですから、それを素直に楽しめばいいと思うんですよね。
ちょっと不思議な歌詞も多いですが、彼は感覚的な人なのです。
論理的にああだこうだと考えて歌詞を決めているわけではないでしょう。
それを筋道立てて説明できるなら、ミュージシャン以外の仕事をしてるでしょうね。
音の感覚に敏感な、シンガーソングライターならではの優れた作詞です。
裏の意味に囚われると陰謀論に騙されやすくなるので気をつけようね、とカルトサイトらしく締めましょう。
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