排除される信者たち
ドラマ版ハヤブサ消防団のいいところは、
「カルト教団やその信者だけが悪である」とは描かなかったことです。
信者はいい人たち
彩が見たアビゲイルの信者たちは
「洗脳されたおかしな人間みたいに言われてますけど、私が出会った仲間たちは本当にやさしかったです。
私と同じように苦しんで、救いを求めて、教団に救われたからこそ困っている人に手を差しのべる、思いやりを持つ人たちでした*1」
これは割とあるあるで、一般信者は案外いい人が多かったりします。
答えを言うと、騙されやすい人の集まりだから。
真光信者の方も、関係が浅い分にはさほど問題なかったような気がします。
何も知らなかった信者たち
拷問死のことも、ほとんどの信者は何も知らず、突然バッシングされ反対運動を受けて困惑していました。
「そんな事件は起きていない」「教祖はハメられた」とインタビューに答える信者もいました。
後者に関しては本当のことでしたが、世間は言い逃れとしか思わなかったでしょう。
「世間が我々を見る目はあんなものです」
「すべての元信者が危険なわけではない」
「意外に身近なところに信者がいる」
「仏教のような古い宗教はよくて新しい宗教がダメとは限らない」
「頭のいいやつは余計なことを考えてしまう」
「そういうのを陰謀論ちゅうんじゃ」
さらっとこういう描写が入るのはよいですね。
ハヤブサの人々が犯した罪
村岡町長脅迫事件
森野と賢作は村岡町長に、「記者会見を開き、アビゲイルへの危機感を訴えてほしい。そうしたらマスコミも注目して、あいつらはいづらくなる」と訴えます。
町長が断ると不倫をネタに脅迫し、会見を開くことを約束させました。
サンカクで杉森入店拒否事件
カクさんのお店ですから、彼が客を選ぶこと自体は施設管理権の範囲内で可能です。
これは高級フレンチ店などで、服装がドレスコードに沿わない場合はお断りする、などの場合が該当します。
ですが、この場合は杉森が正しく「根拠のない噂話に基づく差別」です。
儀式妨害は「説教等妨害罪」
ハヤブサ分団は聖母降臨の儀式を阻止しようとして、信者たちに消防車で水をかけようと言い出しました。
さすがに警察署長に「やめとけや。あんたらを逮捕しなけりゃならなくなる」と止められました。
刑法第188条第2項では、
「説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、1年以下の懲役若しくは禁固又は10万円以下の罰金に処する」
と定められており、宗教行事を妨害する「説教等妨害罪」に該当する可能性があります。
聖母降臨の儀式自体はルミナスソーラー(実質教団)の私有地内に集まって礼拝(宗教行事)をするだけなので、特に迷惑行為はしていません。
そんな無害な祭礼を妨害するのなら、信教の自由の侵害としか言い様がありません。
目的のために手段が正当化されるのなら、それはアビゲイルが放火や殺人を犯したのと同じ轍を踏むことになります。
カルトの悪だけでなく、それに反対する我々の罪を描いたドラマでもあります。
「正義とは暴力の免罪符」とはよく言ったものです。
猟銃で人を撃とうとした
真鍋が先に銃を撃ったとはいえ、賢作も真鍋に銃を向け、警察から下ろすように指示されても従いませんでした。
許可を受けた猟銃であっても、保管や持ち歩き自体にも厳しい制限があるぐらいです。
当然空砲であっても絶対に人のいる方に向けてはなりません*2。
信者だけが「何故」と言われる
三馬太郎は「何故そんな宗教に」と彩に問いかけました。
「何故、何故、何故……三馬さんも他の人と一緒なんですね」と彩。
信者だけが理解不能とされ、「どうして、何故なの」と言われ続ける。
こういった指摘は、誰かをカルトから脱会させたいなら真摯に受け取る必要がありますね。
「何故」って要は責めてるわけですからね。
「私たちとあいつらは違う」
迷惑なので受け入れたくはないのですが、排除すればするほど彼らの絆は深まります。
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じゃあどうすればいいのかは、簡単に答えが出せません。
でも焼きそばを焼いて、一緒に食べるくらいのことならできるかもしれません。
みんなもカルトにハマる前に神社検定を受けよう!
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ハヤブサ消防団を元カルト信者が語るシリーズ
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