この記事は重要なネタバレを含みます。
宗教者ギドの死と再生
武力でフォーデンを支えるコバンザメ
序盤では、ギドは惺教の権威をカサにした自己愛的な人格として描かれます。
体格もハゲマッチョで全身タイツです。
神の御名において罰を下してくれる!
我ら惺教府僧兵団、神の威光にあだなす者は
何者だろうと退けて来た
大いなる惺教の威光にひれ伏せ
また、フォーデンを支えることで自身の出世も達成してきました。
権力者としての失墜
フォーデンの右腕だと自認していたのに、「人心を惹きつけるものがない」という理由で後釜の地位をレラに奪われて激怒。
しつこくレラに辞退を迫ります。
グローデルとの違い
グローデルとギドの言動は、似ているようで決定的な違いがあります。
グローデルは、勇者品評会で小さなニンゲンの首を提出しました。
そもそも大きな首というお題に沿っていませんし、国民はニンゲンを見たことがないので本物かどうか判断できませんでした。
彼は独りよがりで、自分のことしか考えていません。
だから、彼なりに自分の欠点を受け入れて努力している割に、他者から評価されないのです。
一方でギドは、大きな魚を提出しました。
大きさも充分で、かつ無益な殺生をせず貧しい人たちに振る舞って施しをしました。
このように、彼の性根は敬虔な信徒であり、弱者をいたわる優しい人なのです。
ギドの過ち
彼は薄々、惺教の過ちに気付いていました。
惺教の腐敗した環境では水が合わず、自分を曲げなければなりません。
信仰心も深く、惺教の不正を認めたくないのでイライラして虚勢を張っていました。
出世して地位を得られれば、惺教が間違っていないと確信できます。だから彼はフォーデンに地位をねだったのです。

肝腎のフォーデンの護衛にも失敗し、レラにも敗北。惺教の信頼も地に落ちました。
「私が信じた惺教とはなんだったのだ…
これからは、何を頼りに…
『何を頼りに』か…
惺教を守っているつもりが、支えを失った途端、動けんとはな…
私も…レラの言う『弱き者』か。」
すべての肩書きを失い、彼はようやく自身とその信仰心について振り返りました。
いち宗教者に墜ちたことにより、己を受容できたのです。
彼が守っていたのは、教団の不正をただせない自分自身の弱さでした。
再生したギド
終盤でギドは、等身大の自分を「最初から己の力では何もできぬ弱者だった」「名ばかりの僧兵団長」と認めました。
指導者を失ったものの、信仰心が彼に残りました。
彼は、自分に何ができるのか分からないものの教会に立つことを決め、脅威にさらされる信徒たちの無事を願い、祈りを捧げました。
以前の彼は異教徒に厳しく、彼らの神器を取り上げることを提言するような人間でしたが、終盤になると、「明らかに信徒ではない」王子たちにも安売りをしてくれるようになります。
出世欲を捨てたのに、エンディングでは枢機卿という教皇に次ぐ立場に上り詰めていました。
惺教府の悪行が表沙汰になって以来、
惺教への信頼は地に落ちました。
驕りや不正、悪しき風習があったことも認めます…
だが、惺教に救われた者も確かにいたはずなんです。
真に救いを求める者のため、私はこれから
あるべき惺教の姿を取り戻したいと考えています。
枢機卿として、惺教に救われた者として、
それが私にできる唯一の恩返しですから。

不正の処罰もして自浄に努めているようです。
彼が本当にやりたかったのは、腐敗を正し、本来の惺教に立ち戻って信徒に救いをもたらすこと。
本当の望みに奉仕している彼の顔つきは穏やかです。
フィクションで宗教を取り上げると、「教団を潰して終わりにしてしまえ」という流れになりがちになります。
過ちを犯し、また悔い改める。
それが本来あるべき姿だと思います。
ギド一押し
宗教関係でもっともいいキャラなのがギドです。
すべてを失って本来の自己に立ち戻るという流れや、出世欲で自分を見失い、欲を捨てて立場を得るなどおじさんの人生が詰まっていました。
ゲーム自体も面白いですし、宗教系ゲームとしても特筆に値するオススメの作品です。
unlearn-mahikari.hateblo.jp
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