山で死にかけてから三年
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未だになんだかよく分かりません。
さて、図書館でぶらぶらと書架(本棚)を眺めていると、山の不思議な話を集めた本がありました。
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出版して1ヶ月と11日で六刷なので売れたのでしょう。
弐と参まで刊行されています。
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山怪とは
山怪の序文にはこう書かれています。
日本の山には何かがいる。
生物なのか非生物なのか、個体なのか気体なのか、見えるのか見えないのか。
まったくもってはっきりとはしないが、何かがいる。
その何かは、古今東西さまざまな形で現れ、老若男女を驚かす。
誰もが存在を認めているが、それが何かは誰にも分からない。
敢えてその名を問われれば、山怪と答えるしかないのである。
(P3より)
「これだな」と思いました。なんだかよく分からない。これぞ山です。
宗教・神道コーナーには何度か足を運びましたが、民話・伝説コーナーはなぜかほとんど見ていませんでした。
服飾や飲食の文化史があり、その隣に妖怪の本があるのは何となく知っていたのですが。
興味のない棚でもふらっと見に行くのは大事ですね。
内容紹介
P172の「ナビの策略」では私の体験とほぼ同じようなことが書いてあります。
著者は泊まる予定のホテルの情報をプリントしたものを忘れてしまい、名前も思い出せません。とりあえず市内の中心地に出れば道が分かるだろうと、目に付いた消防署をナビに入力します。
県道をまっすぐ行くはずなのに左折右折左折。田圃を過ぎ、寂しい集落を過ぎ、杉林に入り勾配はきつくなり、未舗装の林道はすれ違い困難なほど細くなりますした。
嫌な予感がしてUターン。県道に戻るとすぐに道が分かったそうです。
ホテルにたどり着き、あの道がどこへ向かう道だったのかを確認すると、標高700メートルほどの山の頂上だったそうです。
夜中に山の頂上に行くなんて、考えただけでもちびりそうです。
お化けいないよ派
山の住人の中には、不思議なことにも全部説明がつくと言い切る現実主義者もいます。
山の怪異では、誰もいないのに人の声が聞こえる話が多いのですが、「移動販売やお知らせの放送が山の下からいろんな所を伝わって、すぐそばで何か言っているように聞こえるだけ」(P120)。
と一応は説明してくれます。
ベテランのマタギが迷う話もよくあります。
集落で捜索隊を編成することもあり、皆に迷惑をかけてしまいます。
「そん時に狐にやられたって言えば誰もそれ以上は何も言えねべ? 都合の悪いことは全部狐のせいよ」(P47)。
なるほど山で生活していないと出てこない発想ですね。
その他まとめ
狐は生臭もの(魚)と油揚げが好き
天ぷらなど揚げ物も盗られる。
狐をいじめない。
狸は音を出すだけ
生のニンニクを一つ胸ポケットに入れておく
雪山で遭難したら寝るな
吹雪の中の呼び声は人間ではない
お経を唱えたり、たばこで一服して落ち着く
幼い子供が山中で行方不明になると、子供の足では不可能なくらい奥に入り込んだり、大岩の上で発見されたりする。
慣れた道なのに大岩が塞いでる(ぬりかべ?)ときは深呼吸などで落ち着くと消える。
濃霧の日にリュックを捕まれたら振り向かない、大声を出さない。静かに少し待つと必ず去っていく。
見慣れない道やきれいな池ができていたら行かない。
きのこなど好物に惑わされるな。
テントに泊まると何かが出るが、車中泊は何も出ない。