真光やめたら幸せになりました

真光やめるほどじゃないけど、ちょっと疲れたな。そんなときは一息つきましょう。無理にやめなくてもいいんですよ。

Google Mapが使える古代神に殺されかけた件について。

初夏にすてきな田舎の島に行きました。

うまい魚を食べたり、寺で御朱印をもらったりしてからカフェに行く予定にしてました。カーナビなくてもGoogle Mapsアプリがあれば大丈夫と検索して車でGO!

しかし目的地に来てもそれらしい建物は見えません。

Google Mapsアプリは割と建物の裏口に案内されることが多く、このときも実際にはカフェの裏手に着いていていました。住居とお店が一体になってるやつで裏から見るとただの家にしか見えなかったんです。

住宅街の細く曲がりくねった道を登ることに疲れ、とりあえず空いたスペースに車を停めたのですが、このときに車を派手にこすってしまいました。
運転していたうしおは激しく落ち込み、私も自分のせいでこうなってしまったと罪悪感でいっぱい。修理にいくらかかるんだろうと気分が沈み、つまり二人とも弱っていました。
(前も名前で検索してぜんぜん違う場所に来たし、こういうときはお店の公式サイトから調べるに限る)とスマホでお店のサイトを開きました。
アクセスのページを見るとちゃんとGoogle Mapsへのリンクが貼られていたのでタップするとGoogle Mapsで開きました。ピンが立ったのは数キロ先でした。

道を間違えたことに疲労感を重ねつつ、案内通りに車を走らせます。カーステレオは止めたままで、どうもジャカジャカと音楽を聴く気分ではありませんでした。

大きな通りから細い山道に入っていきます。小さめの普通車一台がやっと通れるくらいの狭さで、大きめの車は通れそうにもありません。通常はすれ違えるようにところどころ道幅が広くなったりしているものですが、それは一つもありませんでした。
山道に上るときにお目当ての店の幟も看板も一つもないことに気づけばよかったのに。

昨日の大雨のせいでところどころ崩落しており、人の頭の半分くらいの大きさの石が転がっていました。崩れた箇所には県名の書かれた赤いコーンが置いてあり、道に沿って黄色と黒の棒が渡してありました。
本当にこんなところ人が通るのかと思いました。崩落とかそういうことではなく。

うしおから「東京の金持ちがこの島に別荘を買う」とは聞いていて、何軒かそれらしきものが道沿いにありました。人気が全く感じられないのはともかく、うらぶれて妙に雰囲気が暗いのです。
「昔このあたりでむごい事件がありまして……」などと言われたら「あーやっぱりー」と信じてしまいそうな印象です。

道路は水で覆われて薄い川のようです。濡れた落ち葉がところどころ、こんもりと小さな山になっていました。水が山肌から勢いよくぴゅーっと吹き出しています。このときの音をうしおは「ブシャアアア!!」という、とにかく異常な音だったと回想しました。

「本当にこの道で合ってるの?」とうしおが聞きます。
「調べたから大丈夫」と私は断言しました。お店のサイトから直接開いたのだから間違うはずがありません。

それにしてもとにかく異様に暗い。明度の問題ではなく、暗さ以上に暗い。昼の二時くらいで天気の良い晴れの日のはずなのに、木漏れ日も何もありません。晴れた日なのに黒く霞んでいました。
説明はできないのですがとにかくおかしいのです。

「ここはこの世ではない」と分かりました。
とはいえ別に慌てふためいたりギャーギャー叫んだりしたわけではありません。私はすぐに不安になったりパニクってわたわたする人間なのに変ですね。

真上から非常に強い光が二度三度差しました。まぶしすぎて前が見えないほど強いものでした。(道が見えなくて危ないなあ)と思いました。
ちなみにうしおはこの光を見ていません。あんなにまぶしかったのに私だけなんです。

霊が見えたとかそういうわかりやすい現象があったわけではないんです。とにかく雰囲気が異様としか言えません。この世ではないどこかですが、何かと聞かれてもいまだに分かりません。

うしおは苦しそうに、早歩きくらいの速度で進んでいきます。スリップしそうで怖いからだと言っていました。本当はこの山に登るのが嫌で嫌でしょうがなかったんだそうです。
うしおはこのとき言わなかったけれど、体調が悪くて吐きそうで、本当は車から出て吐こうかと思っていたそうです。あまりの具合の悪さに気を失いそうで、「ここから落ちたら楽になれる」と思ったそうです。

うしおは私と暮らし始めてから鬱が再発し、一時期よく「消えたい」「あとは任せた」とか言っていました。それも何年か前の話で、ここ数年は比較的メンタルが安定していました。そんなうしおが「崖が呼んでた」と言うのはかなりの異常事態です。

苦しむうしおを心配しながら、スマホを片手に「あと600メートルだよ、がんばって」「もうちょっともうちょっと」と励まし続けました。うしおにはその山を登らせようとする気迫が何かに取り憑かれたようだったと感じたそうです。

(本当にこんな恐ろしいところに、土日は席が埋まるようなカフェがあるんだろうか)
田舎のカフェなので自然あふれる場所にあってもおかしくはありません。それにしても不便すぎます。

音楽も止めたまま、二人とも黙って前だけを見つめていました。横すら見ませんでした。今思えば振り返らなくてよかったと思います。
道が少し開けてすっと楽になりました。「道幅注意」と書かれた看板が目に入り「今までの道の方が危なかっただろ」と安心したのを覚えています。

ゴール直前になって目的地の名前が○○山と表示されました。
(えっ、そんな山の名前知らない)
お店のサイトから直接開いたはずなのに、いつの間にか目的地がまったく知らない場所に設定されていました。この山も観光地ではあるのですが、そもそもまったく存在すら知らない場所です。目的地の候補にのぼったことすらなく、当然Google Mapsで調べたことすらありません。つまり履歴は存在しないのでうっかり履歴を開いたこともありません。
何がどうしてこうなったのか未だに分かりません。

車で5分の山道は、登るのに20分か30分くらいかかりました。
降りるときは普通の山道でした。表面的には同じ道でした。

 

 

unlearn-mahikari.hateblo.jp

 

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