梅花ヲ見ル
少し遠いのですが、大きい天満宮があります。
広大な敷地には梅もたくさん植えてあるのです。
桜を見に行ったことはあるのですが、梅を見たことは多分ありません。
うしおさんが言うには、「天神様が一緒に梅を見ようとtenさんを呼んでいる」そうなので、行くことにしました。
(最近は色々ありましたので)
「太宰府の天神様は参拝者が多くて仕事が忙しいから、梅を見る余裕がない。こっちの天神様はtenと梅を見る余裕がある」
とうしおさんが言ってました。
天満宮の本には、よく梅を「馥郁たる香り」と表現しています。
しかし私は梅の匂いをよく知らないので、今回はそれも味わってみようと思いました。
梅は見頃
いつもならたくさんの参拝客がいるはずなのに、ずいぶんとまばらなものでした。
以前来たときよりも植樹が増えて像が新たに寄贈され、人々の崇敬心の高さがうかがえます。
最近は神牛とよく視線が合います。
「牛さんに質問する人間が珍しいから、牛界で話題になった」とうしおさんが言ってました。
干支小物の牛さんのことを報告したので、お願い事をするのを忘れました。
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馥郁たる香り
人が少ないおかげでゆっくりと梅を観賞することができました。
青空に濃いピンクの梅のかわいらしいこと。人々も穏やかなものです。
梅の匂いを確認しようと思ったのですが、梅ヶ枝餅の出店があり、あんこの甘い匂いに負けてしまったので、梅の馥郁たる香りはわかりませんでした。
梅ロス
いつものことなのですが、天満宮が素敵すぎたので、帰ってから悲しくなって駄々をこね始めました。
「梅が終わったから悲しい。梅の香りがわからなかったから、今からまた行く」
「一度で全部わかったら面白くないでしょう。心残りがあるから、また来年行きたくなるんだよ」
「天満宮に勝手に住み着く」
「寒いし虫が出るよ」
「毎日天神様と梅を見たいの!」
「一日だから粋なんだよ」
「梅は永久に咲いてほしい」
「それはだめ。花は散るから美しいんだよ」
うーん素朴なお気持ちですね。
でも「太宰府天満宮ください」に比べたらずいぶんおとなしくなったものですよね?
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そして神牛にお願い事をするのを忘れたので、「えーとね。あ、お金が欲しい」と言いました。
うしおさんが言うには、牛さんは「今頃言ってるなんて、マイペースだモウ」とウケていたらしい。
牛さんの方が相当マイペースなのに。
次の日くらいに「お金かー」とお金を渡す方法を考え始めて、その翌日くらいに「無理だモウ」と結論が出たそうです。
梅ロス2ndシーズン
数日経って、梅の写真を眺め、改めて梅ロスを深く嘆いていたので、うしおさんに諫められました。
「せっかく天神様が好意で梅を見せてくれたのに、いつまでも悲しむんじゃないの。
梅で気晴らしさせようというお心遣いで呼んだのに、tenさんがいつまでも悲しみに暮れていたら、天神様がお困りになるよ」
「昔の貴族は花が散ったらメソメソして和歌を詠むでしょ」
と言い返したのですが、
「あれは話を盛って大げさに書いてるだけ」
「うしおさんは、なんでそれを知ってるの?」
最近は平安時代の本を読んでいるのですが、漢詩や和歌は表現が大げさなんだそうです。
「花が散って悲しいって和歌に書いても、本当はそんなに深くは悲しんでないんだよ」
「えーじゃあ天神様も話を盛ってたのー。正直の神様なのに?」
「それはエンタメ。読む方を楽しませるためだから、優しさだよ。
梅が終わって悲しくなるのは仕方ないけど、『心がすっきりしたのでこれから頑張ります』くらいじゃないといけないよ」
と諭されました。
思い出の梅ちゃん
おみくじのおまけで、梅の形の天然石を頂いたのを思い出しました。
ピンクの梅ちゃんです。
あれ? これはもしかして……
「毎日梅を見る」
「梅は永久に散らないでほしい」
というわがままが叶ったのでは?
前回はダイナミックに太宰府天満宮をほしがったので、私が梅ロスになるのを見越して天神様が下さったのでは?
うしおさんは「あっちの天神さまはものをくれる系だね」と言ってました。