暴れる鳥居
変な夢を見ました。暗闇の中で鳥居がぐるぐると高速で回っているのです。まるで苦しんで暴れているようにも見えました。
目が覚めて、うしおさんにそのことを話しました。
「何かご祭神様に対して無礼を働いてしまったかな?」とその日の出来事を思い返し始めます。
親しまれるご祭神
その日はある神社に参拝しました。
例によってGoogle Mapsで少し離れた場所についてしまったので住人の方に道を尋ねました。
「あら、○○(神社名)さんはあちらの方よ」
道が細かったので、車が切り返しできるように誘導してもらいました。
このあたりの方は人柄もよく、ご祭神様も親しまれているのだなとわかりました。
無事たどり着き、鳥居を通るとその美しさに思わず声を上げました。
戦国武将なので規律正しい雰囲気はありますが、それ以上に温和でした。人々に敬われている理由がよく分かりました。
参拝後には、宝物館に行って当時を語る調度品や絵巻物を拝見。
生前は人間の鑑のような方だったそうです。
神主の独演会
神主さんからお作法について注意を受けました。
最初は「作法に厳しい方だなぁ。でもさすが本職だけあって詳しいな」と興味深く聞いていました。
ただ話が相当長くて疲れてしまい、中には「本当にそんなマナーあるの?」と思うようなことも。
神職として絶対に言ってはならない言葉も言われました。
神社でこんなに不愉快な思いをするのは初めてです。
あまり知らない神様なので色々と説明してほしかったのですが、一言も触れられませんでした。
神主さんに対して最も違和感があったのがこの点で、ご祭神様への敬意どころか興味すら感じられなかったことです。
ご祭神様が大好きで、語り出すと止まらないような神主さんもいらっしゃるので、十人十色ですね。
あんなに立派なご祭神様のご神徳をもってしても、彼の性格を変えることはできないのです。
いただいたパンフレットを読むと、ご祭神様の人生が熱のこもった筆致で書かれていました。
社務所の奥にいた女性の、心労の理由を察しました。
なぜ鳥居は暴れているのか
うしおさんが言うには「立派なご祭神様と、小物の神主さんが同じ空間にいるからねじれてる。それで鳥居がじたばたしてる。ご祭神様は、神主の態度に怒るようなお方ではない。ただ地域住民や参拝者が嫌な思いをしたり、足が遠のいたりすることには心を痛めている」だそうです。
そこから何を学ぶのか?
今回は自分が呼ばれた神社であり、あのような不愉快な態度も、神様がわざわざ見せてくださったような気がします。
それは違うんじゃないかなと思っても反論はせず、筋が通っていると思うことは素直に従いました。
正面衝突だけが戦い方ではないのです。