真光やめたら幸せになりました

真光やめるほどじゃないけど、ちょっと疲れたな。そんなときは一息つきましょう。無理にやめなくてもいいんですよ。

川の向こうから

山が呼ぶ

今年は山に近づかないようにしています。
特に怪談もなく秋を迎えました。

次の休みには出かける予定があったので、うしおさんが近くの神社を探してくれました。
公式サイトの写真を見てみると、雰囲気がよさそうです。
山とは少し離れていて、平地でした。これなら何も起きそうにありません。

看板の案内に従って現場に行き、細い道を進みます。自動車のまま鳥居をくぐり、神社の敷地に入ってから停めました。
駐車場から外にでると、鳥居の横には美しい川が流れ、水の音が清らかです。安らかに息を吸い込みます。

神話に登場する神様が二柱ほど祀られています。
創建は千年以上前なので看板の説明を読んでも由来は不明なことばかり。

住宅から少し離れているものの、案内表示などは新しく作り替えられています。
お手洗いの清掃も行き届いて、地域住民の信仰心を感じます。

本殿の左横に広いスペースがあり、その奥が駐車場でした。鳥居の内側は駐車場ではなかったようです。

畏怖

参拝を済ませて帰ろうとすると、うしおさんが「すごい崖」と言いました。
大きな川の向こう側には岩肌が露出して崖になっています。船越さんが犯人を追い詰めているかもしれません。

圧倒されて思わず私も感嘆の声を上げました。
威圧感があって「神様だ……」としか言いようがありません。ただならぬものでしょう。

これが畏怖。初めて味わう感情です。

神威には伏すべし、という気持ちになります。真光でこのような気持ちになったことはありません。
比較的近い感情としては、自然災害への恐怖でしょうか。

あの崖は何かに似ています。教科書にでてきたゴトビキ岩を思い出しました。

神社検定公式テキスト1『神社のいろは』

神社検定公式テキスト1『神社のいろは』

P13。

洞穴

細見すると、崖の上の方は大穴が口を開けています。十分に人が入れそうなぐらいの洞窟があります。
「お墓があるよ」とうしおさんが言いました。
洞窟の入り口には細長い石が何体か立てられています。自然物ではなく明らかに人が設置したものです。
「お墓じゃないよ。仏像だよ」
遠くてはっきりとは見えないものの、石仏の背面に見えました。

後から考えたら、私たちは下から見上げているので、入り口近くに仏像があれば見えないはずです。
つまり下から見えるように置いてあるのです。それはあの崖が信仰の対象であるということを意味しました。

(これは小さいけど山だよな。崖というより巨石。磐座いわくらだ)

小さい山クラスの巨石なら、今まで見た者の中では一番大きいでしょう。
そして洞窟……そう言えば前にも山の穴の中にうしおさんが吸い込まれそうになったことがありました。
unlearn-mahikari.hateblo.jp
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山だ。あれは山だ。山が呼んでる案件だ。

「うしおさん、なんでここの神社にしたの?」
「検索したら出た」
「呼ばれたんじゃない? あの崖に」

最大の危機は山で二人で死にかけたときのこと。
うしおさんは苦しみの余りに「車のドアを開けて崖から落ちたくなった、落ちたら楽になれる」と言っていました。
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鳥居の中からガン飛ばされて目が痛くなったり。
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「あの洞窟行きたいんでしょ?」
「行きたい」
「危ないよ。山に吸い込まれるよ」
しかし大きな川がブロックしているようです。橋もなく、崖の近くにも道もなく行けそうにありません。
本当の聖域は立入禁止になっています。じゃあ簡単に行けるパワースポットってなんでしょうね?*1

「これは川が防衛線になってるね」
後で調べたら、かつてはこの川で身をすすいでから参拝したそうです。伊勢神宮五十鈴川みたいなものです。

「すごく呼んでる、こっちを見てる。目力が強い。
悪い感じはしないけど、行くのはよくない。
分かってるけど魅力を感じて行きたくなる」とうしおさん。

後ろ髪を引かれるうしおさんに車に乗るように促しました。

帰り道を戻りつつ気づいたことは、駐車場を間違えた意味です。

車を停めた鳥居の近くには木が生えておらず、崖がよく見えます。少し歩くと木が遮って目に入らないのです。最初に正式な駐車場に停めていたら木がじゃまでには気づかなかったでしょう。

私は水流の音がした川に視線を落としましたが、うしおさんは上を見て崖に気がつきました。

今回、神社自体は山ではなかったのですが、川越しに山が呼ぶという変化球でした。
そんなトラップは期待してないし、難易度を上げないでほしいなあ。