真光やめたら幸せになりました

真光やめるほどじゃないけど、ちょっと疲れたな。そんなときは一息つきましょう。無理にやめなくてもいいんですよ。

Google Mapsが使える古代神に殺されかけたので山に祠を建てて祀ろうと思う

まだまだ続くよ山の怪。前回はこちら。

 

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事件当日の夜に気づきましたが、うしおのヒゲが妙に伸びていました。朝一のヒゲを剃る前のときよりも伸びています。
また、二人とも時差ボケのようになってしまい、曜日の感覚も一日ズレました。
私はあのときスマホの地図を眺めながらだったので、時間がせいぜい20分しか経っていないのを知っています。自分の時間の感覚でもそれくらいでした。

しかし、身体全体は時差ボケして曜日もズレています。どうも身体的にはもっと長い時間が経っているようなのです。数時間か半日くらい余分に時間が経っているなら勘定が合います。疲れて早く寝たのではなく、体内時計的には深夜になってるから寝たんですね。これが時空のねじれ?

怪談をそんなに積極的に探したわけではないのですが、数時間の外出のつもりが何日も経っていたという話はあります。しかし時間感覚と実際の時間にズレはなく、体内時計だけがおかしいというのは聞いたことがありません。

「あれは自然そのもので、古代の神様」と言うのがうしおの見解でした。うしおはこの一件で霊感のようなものが強くなりました(霊感という言い回しはしっくり来ないですが)。


確かにはっきりと目に見える何かというものはなく、人間的な感じはしません。個性がないというか、キャラが薄いというとわかりやすいでしょうか。天狗とかキツネという感じでもありません。山全体がご神体だとうしおが言います。山全体が一つの生き物のように感じました。しかし山に神社はあるものの、山そのものは祀られていません。

「強い無念を感じた」とうしおが言います。うしおの見立てだと、人間がいなくなったりして祀らなくなったから祟り神になったそうです。
私たちが巻き込まれた事件は、「おそらく数百年に一度のこと」だそうです。

「いっぱい人が死んだり事故が起きたりした方が、人間に祀ってもらえるんじゃないの?」
「そこは古代の神様だから、人間とは時間の感覚が違う」
噴火なんか一万年単位のスケールで考えないといけないですからね。
「人間が祀らなくなったら、神様は力が衰えるの?」
「それはない。パワーダウンはしないけど、災害とか悪い方向に向かう。人間が祀るとその力をいい感じに調整する。相当長い間放置されていて、悪いものがたまっている感じがした」
「うしおは、山から敵意とか害意を感じたの?」
「殺意は感じたけど悪意はない。『人が死ぬのは悪いこと』という感覚は山にはない」

私はまずあの山のことをネットで調べました。田舎でも多少は見つかるものです。しかし書籍を含めても、怪談は一つも見つかりませんでした。
あの山に磐座(いわくら)というものが見つかったことがあるそうです。ストーンヘンジを思い浮かべてください。あのように石を組んだもので、昔の神殿だそうです。うしおが言った「古代神」というのが当たってしまいました。
島の歴史を書籍で調べて、磐座の件は事実であることが分かりました。調査が進んでいないせいか、それ以上のことは分かりませんでした。
また、私たちは見ていませんが、頂上に小さな祠があるそうです。頂上に近づいて楽になった理由はこれかもしれません。よその山ですが霊山を祀る祠です。

神社の後ろに、(まるで隠すように?)徒歩の登山道があることがわかりました。誰も使わないのかほとんど道は荒廃していました。その道の途中に大きな岩があるのか気になり、うしおに見せると「この写真を撮った人は命知らずだね」と、とても驚いて恐れました。
今時ケータイのカメラですら高性能です。岩から遠い場所は明るくくっきり写っているのに、岩周辺は暗くくすんで少し画像が甘くなっています。
「ここが山の心臓部だ。もしここの岩の前に立ったら自分がどうなるかわからない。卒倒するかもしれない。いや、取り込まれてしまうかもしれない」
岩から強い無念が出ています。うしおによれば、太古の人が祈って神様を降ろしてこの岩に宿ってもらったそうです。それから長い時間をかけて山と一体化したと。かつては人間が動物や食べ物を山に捧げた。でも、人は祀らなくなった。
「人が住まなくなったとか、それは人間の勝手な事情だから」
「山の神様に帰ってもらう訳には行かないのかな?」
「神様は勝手に帰らない。帰ってもらうための儀式がいると思う」
うしおは聞けば何でも答えてくれました。本人も「誰からも教わったことがないのに、なんですらすら答えられるんだろう」と不思議がっていました。このときがうしおの霊能力的な何かのピークだったそうです。

二人とも山に殺されかけたと確信をしているはずなのに、「人間の勝手な都合で祀られなくなって祟り神になって、なんだかかわいそうだな」と思いました。
「山に行くのはもちろん危険だけど、調べるのは問題ないよ。結構かまってちゃんだから、関心を持つと山が喜ぶよ」
使命感というほどではないのですが、これも縁かと思って更に調べることにしました。島出身の民俗学者がいることが分かり、彼の著作を読み進めました。中には山の信仰についての本もありました。
彼の著作では、島の中にある他の山のことには触れているのに、その山のことは一切書かれていません。
ちなみにこの島は戦後くらいまでは貧乏だったので、文字が書けない人が多かったそうです。こうなると現地のお年寄りに直接口伝を聞かないとわからないパターンです。前回が昔すぎて誰も知らないか記録が残っていないということも考えられます。あまりにもヤバすぎて地元民的にアンタッチャブルになっている可能性も高いです。

うしおに神の成り立ちを聞くと「神様は勝手に発生しない。エネルギーの濃いところと薄いところがあって、吹き溜まりみたいに流れ込んでる。雨乞いや豊作を神に祈ってるうちに降りてきて宿ってもらう。なんにもないものを拝んでも何も宿らない」という見解でした。祀られない神様はないそうです。人がたくさんいれば信心深いお年寄りが拝み出すからだそうです。
何故祀られていないのかは島の外の人間にはまったく事情がわかりません。うしおの霊力が強いのを見込んで選んだのか。何故、地元の人間ではなく島の外の人間が選ばれてしまったのか。

「人間の義務として、あれは祀るべきだと思う」と言ううしおに共感しました。うしお的には「あの山に鎮まってもらうのには、プロの神主さんが5人は必要になりそう」とのことでした。祀るとしたら宗教を興すしかないんじゃないかと二人で話し合いました。

起業の相談を知人がやってるので「宗教を興すってのはどうでしょう」と相談をしました。
冷静な赤の他人は客観的に判断して言ってくれるものです。
「それってなんかやばいやつじゃないですか? たぶん地元の人も危なすぎて怖いから近寄らないんですよ。それに山の神様でしょ。二人の仲を引き裂くかもしれませんよ」
我に返って、後日その方にお礼をしました。

うしおは私に心配をかけないように一人で我慢するタイプです。なので「山の件は二人とも巻き込まれたことなんだから、隠すのはなしにして情報共有をしよう」と言いました。じゃあ言うけど、とうしおが口を開きます。
「こないだケンカしたときに、tenと別れたら山に行けるなって思った」
(あ、これは魅入られていますねー)
「雨の中、女がいる夢を見た。山に惹かれる気持ちがあって怖い。tenと離れたくないのに呼ばれてしまう」
これはもうダメだ。もうお祓いするしかないと結論が出ました。
最初はうしおだけがお祓いしてもらう予定でしたが、私もカルトの影を追い払うために一緒に受けることにしました。

次回、人生初のお祓い。

 

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